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【経験と後悔】ただの腰痛が腹部大動脈瘤破裂の前兆のことがある?

大切な命を預かるということ

みなさまこんにちは!

本日は唐突ですが「私が今までに看護師として経験した中での後悔」についてお話していこうと思います。

実はつい最近、とある患者Iさんを天国へ見送りました。

その患者さんの死因が、タイトルに書いた「腹部大動脈瘤の破裂」です。

よって私の経験を踏まえながら、今後Iさんのような人が少しでも減るように、また自分自身の反省を込めて腹部大動脈瘤についての記事を書かせていただきました!

少しでも参考にしていただけると嬉しいです。

そもそも腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)ってなに?

https://beppu-clinic.com/cardiovascular_10.html

まずは腹部大動脈瘤について解説していきます♪

腹部大動脈瘤とは?

人間には様々な血管が通っており、大きく動脈静脈に分けられます。

その中でも大動脈はとても太い血管であり、大量の血液が流れています。

また大動脈というのはとても長い血管で、上図のように心臓から下腹部ぐらいまで続く長さを持っています。

つまり、このお腹のところにある大動脈のことを腹部大動脈と言います。

そして私が話している腹部大動脈瘤というのは、腹部大動脈にできるコブのようなものです。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_162.html

なぜこんなコブができるのか?その主な原因は動脈硬化です。

動脈硬化というのは、高血圧・肥満・糖尿病・喫煙・家族歴などの様々な要因で血管の弾力が失われて硬くることを言います。

普通はなんでも硬くなると頑丈になりそうですが、血管は硬くなると脆くなるのです。
 
イメージとしては、ゴム(輪ゴムとか)が劣化すると硬くなって割れたりちぎれたりするのと同じような感じです!

そして大動脈が脆くなると、大量の血液が流れる圧を受け止めきれずに少しずつ拡張していくのです。

その結果、コブのように一部が膨らんだ状態になります。

https://beppu-clinic.com/cardiovascular_10.html

上記のような状態を腹部大動脈瘤といい、英語Abdominal Aortic Aneurysmの頭文字を取ってAAA(トリプルエー・スリーエー)などと呼ばれます。

腹部大動脈瘤の恐ろしいところ

この病気の恐ろしいところは「無症状のまま瘤(こぶ)が大きくなる」ということです。

腹部大動脈瘤ができる人というのは、動脈硬化が進んで血管が脆くなっています。

そのため、コブが大きくなるにつれて血管が耐えられなくなり、ついに破けてしまうことがあります。

それが腹部大動脈瘤の破裂と呼ばれるものです。

実はこの腹部大動脈瘤というのは、自宅で破裂すると死に直結するかもしれない恐ろしい病です。

仮に、病院で発見されてたとしても破裂してしまうと助からないことも少なくありません。

なぜなら大動脈には大量の血液が流れているため、破けた瞬間に大量に出血してほぼ即死の方も数多くいます。

つまり破裂する前に発見したいのに、前兆があまりないのです。

ちなみに、腹部大動脈瘤は、65歳以上の男性65歳以上の喫煙女性第一度近親者(両親・兄弟・姉妹・子供)に家族歴を有する者は発症リスクであると言われています。

加えて一般的な前兆としては、お腹に脈打つような拍動を感じると言われています。

また吐き気を訴える患者さんが数名おりましたが、腹部大動脈瘤の大きさや位置によっては腸などを圧迫し、ムカムカしていたようです。

そして意外と多い症状が、冒頭で書いたなかなか良くならない腰痛・肩痛・お尻の痛みなどです。

痛みというのは、皆さん我慢してしまう傾向があり、もちろん私もそうです🙄

少し頭が痛い、腰が痛いぐらいなら我慢して、そのまま仕事に行ったりしますよねぇ〜♪

しかし痛みというのは、体からの「何か異常が起きてますよ!」というSOSサインでもあります。

一時期なものであれば、もちろん様子を見ても大丈夫かなと思います。

しかしこれが一時的ではなく、鎮痛剤を飲んでも一向によくならないような持続する痛みというのは、不調が続いているというサインです。

持続する(あるいは悪化する)痛み、それも原因不明であれば尚更、一度病院へ行くことをお勧めします🌸

では続きまして、具体的にどのような症状だったのか、患者Iさんの事例を元に少しご紹介していこうと思います!

Iさんの事例について

個人情報のため、少し話を変えていますがご了承ください。

Iさんは、不整脈や、ACバイパス(狭心症や心筋梗塞の手術)の既往歴があり、かなり心臓の機能が低下している患者様でした。

心不全が進行していたため、本人や家族に急変する可能性が高いことは説明されており、もしも急変しても蘇生処置は何もしないという同意をいただいていました。

そして娘さんと仲良しだったIさんは「家で娘と最期を迎えたい」という希望があったため、娘さんと自宅退院へ向けで準備を進めている最中でした。

ある日、そんなIさんが「最近腰だけじゃなくて腰〜肛門付近が痛い」と言い始めたのです。

顔をしかめていたので、かなり痛いようでした。

今思えば、この段階で大動脈瘤がゆっくり破裂(切迫破裂)して出血していたのかもしれません。

私は医師へ報告し、座薬の指示をもらって痛み止めの座薬を投与しました。

すると2時間ほどは座薬が効くものの、すぐに効かなくなってしまうのです。

主治医と相談しましたが、Iさんは脊柱管狭窄症がありもともと腰痛があったので、その影響だろうと様子見することに…。

そして腹部大動脈瘤の破裂の場合かなり強い痛みが出ます。

しかし不幸なことにIさんは、脊柱管狭窄症の影響で下半身に痺れがあり感覚が鈍っていたため、痛いけど我慢できる程度の痛みでした。

このように腹部大動脈瘤があったとしても、他の病気が原因ではないかと様子観察になることがあります。

その後も腰から臀部の痛みは1週間ほど持続しており、1日2回は座薬を使用するようになりました。

そしてある日、ベテラン看護師がIさんの熱や血圧を測っていると、Iさんの意識が急に飛んだそうです。

慌てて医師を呼び血圧を測ったり心電図モニターを装着しましたが、あっという間に脈が触れなくなり、そのまま帰らぬ人となりました。

そして死亡時画像診断(AI)で調べたところ、Iさんは腹部大動脈瘤の破裂が原因で亡くなったことが判明しました。

正直なところ、Iさんの場合は心不全が酷かったため、肛門痛が出現した時点で腹部大動脈瘤が判明していても手術などの治療に体が耐えられず、延命は難しいです。
 
そして「家に帰りたい」という願いを叶えてあげられなかったことが、悔やまれてなりません。

主治医から死因について説明され、娘さんは納得されたようでした。

娘さんは最後にお礼を言ってくれましたが、私は正直「お礼を言われるようなことは何もできなかった」と思いました。

また、家に連れて帰りたいという願いを叶えられなかったことを、帰り際に娘さんへ謝罪しました。

娘さんと一緒にベッドサイドで泣きながら、Iさんとの思い出について語りました。

Iさんの場合は腹部大動脈瘤を発見していても治療が難しかったと思いますが、本来全身状態が安定していて治療できる方の場合は早急に対処すれば治療することができます

※ちなみに主な治療法としては、開腹(お腹を切って)人工血管置換術と、ステントで瘤をカバーするステントグラフト留置術かと思います。

この患者さん以外でも、ずっと忘れられない患者さんは沢山います。
 
Iさんや他の患者様から学ばせていただいたことを次へ生かせるように引き続き頑張りたいと思います!

まとめ

それでは長くなってしまったのでまとめます🌸

  • 腹部大動脈瘤の原因は主に動脈硬化である
  • 腹部大動脈瘤は多くの人が無症状のまま進行する怖い病である
  • 腹部大動脈瘤の発症リスクとしては65歳以上の男性、65歳以上の喫煙女性、第一度近親者(両親・兄弟・姉妹・子供)などがある
  • 腹部大動脈瘤ができると、腹部の脈打つような拍動を自覚する人が多いと言われている
  • 腹部動脈瘤破裂の前兆として、鎮痛剤が効かない強い腰痛や臀部痛などが挙げられる
  • 腹部大動脈瘤は破裂前に治療できるのがベストだが、切迫破裂の状態でも高リスクだが手術はできる。ただし患者の全身状態によっては手術自体ができないこともある。
  • 痛みは体からのSOSであり、鎮痛剤でも痛みが軽減しない場合は速やかに病院へ行くべきである

というわけで少しシビアなお話になりましたが、みなさまもくれぐれもお気をつけください〜!!

健康は本当に大事です〜!!

最後までご覧いただきありがとうございました♪

それではまた、お会いしましょう👋✨

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