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【短編】「ゾッとする」洒落にならない怖い話をまとめました〜本当に怖いのは人間です〜

 

本日は読んだら後悔するかもしれない、背筋がゾッとする怖い話を3つまとめました。

最後まで読めた方は猛者です。

 

 

洒落にならないので、くれぐれも自己責任でご覧ください。

※よろしければ音声がありますので一緒にお楽しみください

プレゼント

「俺は浮気なんかしてない!誰かの嫌がらせだよ!」

自分のアパートでケンジは困惑していた。

 

「嘘ばっかり!こんな手紙までついてるのよ?

 大体どこの誰が嫌がらせで誕生日プレゼントなんて送ってくるのよ!

 浮気したって正直に言いなさいよ!」

彼女のカナは今にも泣きそうな顔で怒っている。

 

ケンジは本当に浮気なんてしていなかった。

しかし、目の前にはかわいいラッピングに包まれた大きなテディベアがある。

ついさっき、配達員から受け取ったものだ。

 

差出人の欄には「あなたの愛する京子より」と書かれている。

浮気を疑われても仕方ないだろう。

 

 

ケンジはふと思い出した。

きっと送り主は俺に付き纏っているあの女だ。

 

「付き合ってくれないと死ぬ」と呟きながら

トイレまでついてきたあの不気味な女に違いない。

 

 

「カナ、違うんだ!俺ストーカーされてるんだ。きっとそいつの仕業だよ!」

 

初めての彼氏に裏切られたと思い込んだカナの怒りと悲しみは

あっという間に頂点に達する。

 

「まだ認めないの!?許せない…こんなテディベア、こうしてやる!!」

 

カナはテディベアの頭を掴み、思いっきり壁に向かって叩きつけた。

 

 

 

「え?」

ケンジとカナは顔を見合わせ、固まった。

 

 

 

壁に投げつけ床に落ちるはずのテディベアは、

まるでダーツの矢のように綺麗に壁に刺さったのだ。

 

 

ケンジは壁に刺さったテディベアに近づいて状況を確認する。

 

「うわああああ!」

 

ケンジはパニックになり大きな声で叫んだ。

 

カナは驚きのあまり声が出せず、

投げつけたその手を見つめ震わせながらその場に座り込んだ。

 

それもそのはず。

テディベアのお腹からは、10cmほどの太い針が飛び出ていた。

 

 

後退りするケンジはテーブルにぶつかった。

プレゼントについていたメッセージカードがひらひらと舞う。

 

 

目の前に落ちたメッセージカードを見てケンジはさらに背筋が凍った。

 

運命のであい

優斗は仕事終わりに、スマホをみながら帰り道を歩いていた。

いつもの公園を通り抜けようとした時、異変に気づく。

「お前、なんなんだよ!意味わかんねぇんだよ!」

「私はただあなたが好きなだけなのに…。どうして…?」

 

男が女性を蹴ったり殴ったりしながら罵声を浴びせている。

 

(なんだなんだ?痴話喧嘩か?それにしてもひどいな…助けないと。)

  

 

「おい、お前なにしてるんだよ。」

 

 

優斗が声をかけると、さっきまで女性を殴っていた男の動きが止まった。

そしてなぜか満面の笑みを優斗に向け、走り去っていった。

  

 

(注意されてなんで笑うんだ?気色悪いやつ。)

 

「大丈夫ですか?」

「助けてくださってありがとうございます…。」

 

 

女性の顔を見て、優斗は顔から血の気が引くのを感じた。

 

  

髪は驚くほどに乱れ、顔はあざだらけ。頭からは血を流している。

女は満面の笑みを浮かべ、優斗を愛おしそうに見つめた。

 

「あなたに一目惚れしました。お礼をしたいので今から家に来ませんか?」

「い、いえ、大したことはしてないので。お大事に。」

  

 

優斗は飲みかけのコーラを投げ捨て、慌てて公園から走り去った。

(なんだあの気色悪いおばさんは。助けなきゃよかった。)

 

優斗は自分のアパートにたどり着き、家のドアの前でほっとしながら鍵を開ける

  

 

「好き。」

「うわあああっ」

「好きなんです。」

  

 

そこにはなぜかさっき助けた女が立っている。

 

「帰ってくれよ!」

 

優斗は女性の顔も見ず家に入り、しっかりと鍵をかけた。

カーテンの隙間からアパートの前の通りを除くと、女が笑いながらこっちを見つめている。

優斗はその晩、恐怖で眠れなかった。

 

 

朝になり再びカーテンの隙間から通りを見てると、女は消えていた。

ほっとして会社へ向かう。

家を出た瞬間、スマホから着信音が聞こえた。

 

(ん?誰だろう?)

 

スマホを見ると知らない番号だった。

得意先かもしれないと思い電話をとる。

 

「昨日はどうして家に入れてくれなかったの?」

 

「うわあああっ!!!!!」

(なんであの女、俺の番号知ってるんだよ!)

 

優斗はすぐさま電話を切りスマホの電源を落とした。

 

 

仕事が終わり、優斗はいつもと違う道で帰路につくことにした。

 

(はあ…なんであの女を助けたんだろう…)

 

「あなたが好きなの。」

「ひぇぇ!?」

 

目の前にあの女がいた。

 

「お前、何なんだよ!しつこいんだよ!」

優斗は思わず叫びながら女を突き飛ばした。

 

「きゃっ」

女は地面に倒れ、着いた手からは血が流れ出ている。

 

 

そこに通行人が通りかかった。

 

「おい、お前ひどいじゃないか!女性に暴力はダメだろう!」

 

優斗はいつかの光景を思い出し、満面の笑みを浮かべ通行人を見つめた。

通行人は不思議そうな顔で優斗を見つめている。

 

優斗は何も言わずに走り去った。

 

 

「大丈夫ですか?」

 通行人は女に声をかける。

 

「はい…。ありがとうございます…。」

女はあの日とおんなじ顔で微笑む。

 

「あなたに一目惚れしました。お礼をしたいので今から家に来ませんか?」

落としたスマホ

ミクはコンビニでのバイトが終わり、ようやくアパートにたどり着いた。

 

「今日も忙しかったな〜。疲れたー!」

 

鍵を開けて家に入ると、スマホがないことに気づく。

 

「あれ?どこいったんだろう?どこかに忘れたのかな〜。」

 

固定電話で自分の携帯番号にかけてみる。

 

 

「あ、あんなとこにあった!」

 

音を辿ると、アパートの階段の前にスマホは落ちていた。

 

スマホを取りに行こうと、小走りで階段を降りる。

 

その時バイト先のコンビニの常連客とすれ違った。

 

ミクに気づいたのか目が合い、お互いに会釈した。

 

 

「あのお客さん、この辺に住んでたんだ〜。

 

っていうか、なんでスマホあんなとこに落としたんだろ?

落として気づかないとか、よっぽど疲れてるのかな〜。」

 

 

拾ったスマホの画面をみると、友達のユキから着信が入っていた。

ついさっきのようなので、ミクはかけなおす。

 

 

「もしも〜し!」

 

「ああ、ミクどした〜?」

 

「いや、こっちのセリフだよ!電話かかってたからかけなおしたのに〜。」

 

「いや、彼氏といるんでしょ?ちゃんと報告してよ〜!!」

 

「え?」

 

「とぼけちゃって!さっき彼氏さんが電話に出たよ!もうバレてるから!」

 

「私彼氏なんか出来てないよ?っていうかアパートの前にスマホ落としちゃってさ!さっきとってきたとこだし。」

 

「え?それ本気で言ってるの?」

 

 

2人の間に沈黙が流れる。

  

 

「ミク、今すぐ部屋から逃げて!」

 

「え?ちょ、ちょっとユキ!どういうこと?」

 

 

その瞬間、ミクは視線を感じ背筋が凍る。

 

 

後ろには、さっきすれ違った常連客の男が立っていた。

 

 

 

 

「待ってたよ」

 

 

 

 ~本当に怖いのは人間~

 

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