Qには1人だけ親友がいる。
この親友はQとは真反対の人種だ。
しかし、自分にないものを持っている人間というのは、とても魅力的に見える。
親友は、Qと同じ白だった。
しかし、Qとは全然違う白だ。
神々しいくて、まぶしいくて、煌びやかという言葉が似合う白。
「あの子に連絡してみようかな。」
QはLINEを開いた。
親友とは、いつも「喫茶カメリア」で待ち合わせをする。
カメリアは昔ながらの純喫茶で、常連客しかいない静かな時を過ごせるのが魅力的だ。
カメリアは、親友と初めて出会った場所だ。
初めて親友と出会ったとき、Qは美しい白に釘付けになった。
初対面で思わず、「お隣いいですか?」と聞いてしまったほどだ。
親友は、特に驚いた様子もなく「どうぞ!」と笑顔で答えてくれた。
それ以来親交があり、しかも唯一の親友になったのだから、縁というのは不思議だ。
Qが到着すると、親友は既にテラス席に座っていた。
「久しぶりだね!」という親友の笑顔は、相変わらず白く眩しい。
「久しぶり。」というQの微笑みは、相変わらずただただ白い。
「いつものやつ、頼んどいたよ!」と言ってくれた側から、ドリンクが到着する。
親友はいつもピンクのクリームソーダ、
Qはいつもブルーのクリームソーダを頼む。
親友の眩しい白と、この可愛らしいピンクのクリームソーダのコントラストが、
突然Qの心を鷲掴みにした。
「これだ!!」とQが呟くと、ブルーのクリームソーダを一気飲みする。
「またいつものアレなの?」と親友は笑う。
「ごめん親友!」と2人分のお金を置いて、Qは突然カメリアから走り出す。
「しょうがないな〜!いつもこうなんだから。」と親友は1人でピンククリームソーダを飲み出す。
そして、「いい加減、”親友”じゃなくて名前で呼んでよね!」と微笑んだ。
Qは色を忘れる前に、全力疾走で家へ帰った。
体力がなさすぎて、息も絶え絶えだ。
パソコンを立ち上げ、mokoにさっきのピンク色を登録する。
その日からQは、親友とピンククリームソーダを合わせた桃色で、
プラネタリウムを楽しむことができるようになった。
つづく
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