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【創作ストーリー】天才のグラデーション第3話〜唯一の親友とカメリア〜

Qには1人だけ親友がいる。

この親友はQとは真反対の人種だ。

しかし、自分にないものを持っている人間というのは、とても魅力的に見える。

親友は、Qと同じ白だった。

しかし、Qとは全然違う白だ。

神々しいくて、まぶしいくて、煌びやかという言葉が似合う白。

「あの子に連絡してみようかな。」

QはLINEを開いた。

親友とは、いつも「喫茶カメリア」で待ち合わせをする。

カメリアは昔ながらの純喫茶で、常連客しかいない静かな時を過ごせるのが魅力的だ。

カメリアは、親友と初めて出会った場所だ。

初めて親友と出会ったとき、Qは美しい白に釘付けになった。

初対面で思わず、「お隣いいですか?」と聞いてしまったほどだ。

親友は、特に驚いた様子もなく「どうぞ!」と笑顔で答えてくれた。

それ以来親交があり、しかも唯一の親友になったのだから、縁というのは不思議だ。

Qが到着すると、親友は既にテラス席に座っていた。

「久しぶりだね!」という親友の笑顔は、相変わらず白く眩しい。

「久しぶり。」というQの微笑みは、相変わらずただただ白い。

「いつものやつ、頼んどいたよ!」と言ってくれた側から、ドリンクが到着する。

親友はいつもピンクのクリームソーダ、

Qはいつもブルーのクリームソーダを頼む。

親友の眩しい白と、この可愛らしいピンクのクリームソーダのコントラストが、

突然Qの心を鷲掴みにした。

「これだ!!」とQが呟くと、ブルーのクリームソーダを一気飲みする。

「またいつものアレなの?」と親友は笑う。

「ごめん親友!」と2人分のお金を置いて、Qは突然カメリアから走り出す。

「しょうがないな〜!いつもこうなんだから。」と親友は1人でピンククリームソーダを飲み出す。

そして、「いい加減、”親友”じゃなくて名前で呼んでよね!」と微笑んだ。

Qは色を忘れる前に、全力疾走で家へ帰った。

体力がなさすぎて、息も絶え絶えだ。

パソコンを立ち上げ、mokoにさっきのピンク色を登録する。

その日からQは、親友とピンククリームソーダを合わせた桃色で、

プラネタリウムを楽しむことができるようになった。

つづく

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